気体のつくり方
この章では気体のつくり方を学びます。みなさんは気体と言われて何を思い浮かべるでしょうか?例えば一番身近な気体といえば、空気ですよね。しかし、「空気」という気体はありません。空気はある気体が混ざったものの総称なのです。
空気の中には、正確にいうといろいろな気体がありますが、カンタンにいえば「窒素(ちっそ)」が80%と「酸素(さんそ)」が20%含まれています。
ということは窒素や酸素は空気から取ってくればいいので、あえてつくる必要ないなぁ、なんて思ったかもしれませんね。確かにその考え方も無理はないのですが、酸素だけたくさん欲しい、というときに酸素のつくり方が分からないと困ってしまいます。また、空気を取ってきても窒素と酸素が混ざったものなので、酸素だけ入り用の場合もやはり困っちゃいます。
そんなわけで、代表的な気体のつくり方を確認していきましょう。
@二酸化炭素
二酸化炭素はヒトの吐く息にも含まれている気体なので、呼気をビニール袋なんかで採取すれば二酸化炭素を取り出せます。または、炭酸水(サイダーなど)にも二酸化炭素が溶けているので(シュワシュワのところ)、これを熱した蒸気を採取すれば、またまた二酸化炭素が取れます。
しかし、これらは化学反応を起こしてできた二酸化炭素ではありません。反応させて二酸化炭素を取り出す場合は、
石灰石(貝殻や卵のカラなど)と塩酸
で二酸化炭素が発生します。
また注意として、強い酸であれば塩酸でなくても二酸化炭素は発生します。問題を解くときは、「石灰石」「酸」ということばに反応できればよいでしょう。そして、塩酸はとても強い酸なので、取り扱いは先生や専門家の指示のもと十分注意しましょう。

A酸素
反応で酸素を発生させるには、
オキシドール(過酸化水素水)と二酸化マンガン(または生のレバーなど)
を反応させます。
ちなみにオキシドールは消毒液としても利用されています。病院で匂うあのにおいです。

Bアンモニア
尿にも溶け込んでいるアンモニア。想像どおり鼻に付くにおいがします。こんなもんわざわざつくってどうすんの?と思われそうですが、実はこの気体、いろいろな工業製品に使われている大切なものなのです。だからつくるのですよ。
その製法ですが、単純な方法としては、アンモニア水を熱すればアンモニアの気体を取り出せます。
また、
塩化アンモニウムと水酸化カルシウム
で発生させられます。これが問題に出た場合は、「アンモニウム」と「水酸化」ということばに反応できればよいと考えてください。

C水素
最も軽い気体が水素です。水素も身のまわりにある気体ではないので、必要の際はつくります。
製法は、
金属と酸
と覚えておけばよいでしょう。
例えば、鉄(スチールウール)に硫酸、亜鉛に塩酸、などの場合に水素を発生させることができます。
